2008年03月10日

ファウスト

□原題 FAUST

□製作年 1921

□製作国 ドイツ

□上映時間 106

□監督 F.W.ムルナウ

□出演 イェスタ・エクマン、カミラ・ホルン、エミール・ヤニングス

□音声 サイレント

□フォーマット スタンダード

□カラー モノクロ

□言語 ドイツ語

(DVD/紀伊国屋書店)

◯◯◯◯◯

 

 やっと観れた。嬉しい〜。個人的にはムルナウの絵画的映像美術に大満足な作品でした。強いていえば、原作の「ファウスト」の第一部しかつくられていないところなのですが、第二部はもしかして、原作に忠実につくるにはこの時代の実写では不可能かもしれないし。でもやっぱり第二部は観てみたい。「ファウスト」の本当のクライマックスな感動は第二部のラストにあるので。。

 小松弘さんも解説に書いてあるのですが、その内容にもう全くの同感。ラングとムルナウとどっちが好きかといえば、私はムルナウの方なのですが、ムルナウにはラングにはない繊細さを感じるからなのですね。それは見比べればわかる..としか書きようがないのですが、ムルナウはすごく文学的な絵画を感じさせ、その舞台美術などひとつとっても、レンブラントの銅版画のような黒の奥行きと白の繊細さが見いだせるというか。。。ラングはロボット、工場などとても幾何学的というか理系なモダンさを感じさせはするのですが・・・。

 という意味でも私はかなり古典的な美術を好む人なのかもしれません。

 配役ではエミール・ヤニングスがメンフィストを演じていて、赤鬼のような感じやら、トランプから抜け出した悪魔の格好など、さまざまに出てくる。あと、注目はグレートヒェンを演じたカミラ・ホルン。ほとんど無名だったこの女優さんをムルナウは大抜擢。本当はリリアン・ギッシュにしようかと思っていたそうですが、カミラ・ホルンもリリアン・ギッシュ風な女優さんでとても愛くるしい女優さんでした。

 ファウストを演じた男優さんはスウェーデン人らしいが、老いたファウストと若いファウストと両方演じたというのは、すごい。同じ人物に見えない。。(あと、この人はかなり中性的な雰囲気を持つ俳優さんです。)

 ドイツ表現主義もあちらこちらに見受けられ、例えば、曲がりくねった坂、部屋の階段、村の全景など実に面白かったです。

 映画の脚本にまつわるエピソードなど、解説や映像特典で詳しく述べられているのでそれも興味深く観る事ができました。これで、ほぼ、ムルナウの現存する作品は全部観たことになるのかなあ。最後は「ファウスト」だったというのは幸せでした。 

投稿者 nao : 00:00 | コメント (0) | トラックバック (0) □001.ヨーロッパ映画□

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