2007年08月21日

モーターサイクル旅行記

TRACING CHE

監督:ローレンス・エルマン

出演:チェ・ゲバラ

2002年 イギリス映画 50分 カラー/モノクロ (DVD)

◯◯◯◯

 

 革命家になる前の医学生だったチェ・ゲバラが親友のアルベルトと一緒に南米旅行をした日記「モーターサイクル旅行記」をもとに本作の監督であるローレンス・エルマンがチェらが乗っていたのと同じ型のバイクに乗って、その足取りをだどるドキュメンタリー。一緒にいったアルベルトやチェの幼なじみ、従兄弟などのインタビューを交えていて、エピソードが面白い。そして、チェが立ち寄った街や村、大自然の映像が素晴らしく美しくて感動する。チェらが通った時とさして変わらない風景がそこにあるというのはすごい。

 私も小学生だった子供の頃、自転車に乗って知らない街へ行くのが大好きだった。今は、犯罪に巻き込まれたりする危険があるから、親も子供を独りで遠くには行かせないだろうけれども、うちの親は比較的、そういったことにのんびりしていたので、私が暗くなって帰ってきても、どこに行ったのか聞く事もなかった。「冒険」という言葉にわくわくしてた。なんで男に生まれなかったのだろうとよく思ったし。しかも小学校3年からスカートをはいたことがなかったっけ。

 小学生の頃からすでに国内を自転車旅行していたというチェに、やっぱり共感してしまうものがあるな。

 「モーターサイクル・ダイアリーズ」に「僕らは物事の本質などを深く知る必要などなく、表面的なものを通り過ぎて行くだけで充分だ」という意味の下りがあるのですが、私はこの文を読んだ時、「?」という違和感を持ったのを覚えている。医学生だったチェは、まだお気楽な学生で、その後の南米旅行で自らが生まれ変わるほどの経験をしていなかったのだろうと思う。結局、チェは、あらゆる不正の「本質」を変えようとする事に一生を捧げたのだから。それは、子供だった自分から責任を追う大人になるということだ。彼はキューバ市民の本質さえも変えようとした。それから世界のからくりも。けれど、こんな難しいことはないと思う。私など、物事の「本質」を変えるということに、とっくにあきらめてしまっているところがある。それではいけないのかもしれないけれど。

 もうひとつ、好きなシーン。海のシーンです。本の中の「大洋との出会い」という章にも同じ意味合いで訳されているが、映画の方の映像と訳の方が数倍良く「私と同じ(!)」と心に響いてきたのでメモしておこう。

 

 海はいつでも

 信頼できる友達でいてくれる

 どんなことでも海になら

 打ち明けられる

 海は 僕の告白をその胸にしまって 

 最良の助言をしてくれる

 波の音は 僕にだけ届く 

 海からの助言だ

投稿者 nao : 00:00 | トラックバック (0) □001.ヨーロッパ映画□

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